「広告業界に興味があるけど、実際の業務や雰囲気が分からない」
そんな学生におすすめなのが長期インターンです。
この記事では広告業界の仕事内容から企業選びのコツまで詳しく紹介します。
そもそも広告業界とは?
広告業界とは、企業や団体の商品・サービス・ブランドなどを、消費者に広く認知させるための戦略や表現を企画・実行する業界です。
テレビCMやWeb広告、SNSプロモーション、新聞・雑誌の広告など、私たちの生活のあらゆる場面で目にする情報の多くが、広告によって発信されています。
広告業界は、大きく「広告主(クライアント)」「広告代理店」「制作会社」「メディア」に分類されます。
企業から依頼を受けた広告代理店が、戦略を立てて制作会社やメディアと連携し、最適な形で広告を届けるという流れです。特に博報堂や電通のような大手代理店では、商品戦略の段階から関わることも多く、単なる宣伝ではなく「世の中のムード」を作る役割を担っています。
変化の激しい業界である一方、SNSやデジタル広告の発展により、若い世代の感性や発想が重視される場面も増加。学生のアイデアや感性が活かされるチャンスが増えています。
広告業界インターンで任される仕事
広告業界の長期インターンでは、単なる雑務にとどまらず、実際のプロジェクトに深く関わることが多いのが特徴です。広告の世界では「企画から実施まで」に関わる工程が多岐にわたるため、学生もその一部を担当することになります。
ここでは、インターンでよく任される代表的な4つの仕事を紹介します。
①リサーチ業務
広告を企画するには、まず市場やターゲット層を知ることが欠かせません。そのため、インターン生は競合他社の事例調査や、SNSのトレンド分析、アンケートの集計などを任されることがあります。
例えば、10〜20代の若者向けに商品を訴求する場合、TikTokやInstagramの流行をチェックし、どんなクリエイティブが効果的かを探る作業が求められます。
②企画立案の補助
広告のアイデアを考える会議に参加して、自分の意見を出したり、出たアイデアをまとめて資料にしたりする仕事もあります。
特にスタートアップやベンチャー企業では、学生ならではの新しい発想が歓迎されることが多く、実際に採用されることもあります。
③制作進行のサポート
広告の制作現場では、スケジュール管理や関係者との連絡など、多くの調整業務が発生します。
インターン生も制作ディレクターの補佐として、進行管理表の更新や撮影スケジュールの確認、外部パートナーとのやり取りなどを任されることがあります。
④SNS運用や記事作成
デジタル系の広告会社や制作会社では、企業公式のSNSアカウントの投稿文を作ったり、オウンドメディア用の記事執筆を行ったりすることもあります。
コピーライティングのスキルが身につくほか、拡散されたときの達成感も大きく、やりがいのある業務です。
このように、広告業界の長期インターンでは、企画・調査・進行・発信のすべてに関わるチャンスがあります。単なるお手伝いではなく、プロの現場で「考えて動く力」を養える貴重な機会です。
広告業界インターンの具体的な仕事内容
広告業界の長期インターンでは、実際にどんな仕事をするのかイメージしづらい方も多いかもしれません。
ここでは、インターン生が日々どのような業務に取り組むのかを、より具体的に紹介します。
1 クライアントへの提案資料の作成
広告代理店や制作会社では、クライアント企業に向けて広告施策を提案するための資料づくりが重要です。
インターン生は、過去の広告事例を集めたり、競合分析の結果をまとめたりして、提案に必要な情報を整えます。PowerPointやGoogleスライドを使って資料をわかりやすく整理する作業は、実践的なスキルの向上にもつながります。
2 広告キャンペーンのサポート
テレビCMやWeb広告、イベント施策など、さまざまな広告キャンペーンの準備や運営に関わります。
たとえば、SNS用の画像を作成したり、広告文のドラフトを考えたり、キャンペーンの進行表を更新するなど、実務に直結した業務を担当。学生であっても、プロジェクトの一員として責任のある仕事を任されるケースもあります。
3 SNS運用・コンテンツ制作
特にデジタル広告に強い会社では、Twitter、Instagram、TikTokなどのSNS運用を任されることもあります。
投稿内容を考えたり、実際に投稿を行ったりする中で、トレンドを読み取る力や、ユーザー目線での表現力が養われます。また、企業のブログやメディアで紹介する記事を書くこともあり、ライティングスキルを磨く場としても最適です。
4 撮影やイベント現場の補助
映像やグラフィック制作を行う現場では、撮影の立ち会いや準備作業、資料や備品の管理などを手伝うことがあります。
クリエイターやカメラマンと一緒に現場を動く体験は、座学では学べない貴重な経験です。また、プロジェクトの裏側を知ることで、自分の将来像を描くヒントにもなります。
広告業界のインターンでは、表に出る華やかな仕事だけでなく、裏側を支える仕事にも関われます。その分、業界全体の流れや仕組みを実感でき、将来の進路を考える上でも大きな収穫になるでしょう。
広告業界長期インターンの探し方
広告業界の長期インターンを探す際は、単に「広告会社」で検索するだけでは見つけにくいこともあります。
そこで、より効率的に自分に合ったインターン先を見つけるための4つの方法をご紹介します。
1 広告・マーケティング系に強い求人サイトを使う
「ゼロワンインターン」や「キャリアバイト」「InternStreet」など、広告・PR・デジタルマーケティング系に強いサイトを活用しましょう。
特に「広告代理店」や「制作会社」「PR会社」といった分類で検索すると、現場に近い求人が見つかりやすくなります。実務経験が積める長期募集に絞って探すのがポイントです。
2 気になる広告やCMを手がけた会社を調べて応募する
広告業界では、企業の色が出る「制作実績」や「受賞歴」から探すのも有効です。
たとえば「ACC賞」や「カンヌライオンズ」などの受賞企業をチェックし、「この表現を作った会社で働きたい」と思える企業に直接応募する方法です。特に制作会社やクリエイティブエージェンシーでは通用しやすい探し方です。
3 クリエイティブ業界向け求人メディアを活用
広告業界に特化した就活・転職メディア「宣伝会議キャリアナビ」や「MOREWORKS」などでは、長期インターンを掲載していることもあります。
広告制作、プランニング、コピーライティングなど職種別で探せるため、自分の興味と直結したインターンに出会える可能性が高くなります。
4 業界人のnoteやSNSからリアルな情報を得る
広告業界はnoteやX(旧Twitter)などで、自分のキャリアや職場を発信している人が多い業界です。
「広告 インターン」「制作会社 インターン」などで検索すると、実際に働いている人のリアルな声から企業を知ることができます。志望動機のヒントにもなります。
広告業界長期インターンの選ぶ際のポイント
広告業界の長期インターンを探すとき、求人の数が多すぎて「どれを選べばいいの?」と迷ってしまうこともあるかもしれません。
ここでは、後悔のない選択をするために、広告業界ならではの視点で見ておきたい4つのポイントをご紹介します。
1 どの立場の会社か(代理店・制作会社・事業会社)を確認する
広告に関わる会社は、大きく「広告代理店」「制作会社」「広告を出す企業(事業会社)」に分かれます。
代理店は企画全体の進行管理や提案を行い、制作会社はCMやバナーなどを作る「ものづくり」の現場です。事業会社では、自社商品の広告を社内で企画・運用します。どの立場で働きたいかによって業務内容が大きく異なるので、まずは企業の役割をしっかり調べましょう。
2 自分の興味とマッチしている仕事内容か
広告の仕事は多岐にわたります。
クリエイティブに関わりたい人は制作会社やコピーライターの補助ができる環境が合うでしょう。一方、マーケティングや戦略に興味がある人は、広告代理店やプランナー職に関われるインターンが向いています。
「どんな経験を積みたいか」を事前に言語化しておくと、求人選びの軸がはっきりします。
3 現場でどこまで関われるか(裁量の大きさ)
長期インターンといっても、会社によって業務の範囲はバラバラです。
実際のプロジェクトに参加できるのか、企画会議に入れるのか、それとも雑務中心なのか。できるだけ実践的な経験を積みたいなら、「学生にも責任ある仕事を任せている」と明言している企業を選ぶと良いでしょう。
過去のインターン生の声やnoteでの体験談も参考になります。
4 広告の「表現のスタイル」や「世界観」が好きか
広告業界では、企業ごとに得意なジャンルや表現スタイルがあります。
たとえば、感動的なストーリーCMを多く手がける会社もあれば、ポップでユニークなデザイン広告に強い会社もあります。自分が「いいな」と感じる広告を作っている会社で働く方が、モチベーションも上がり、より深く仕事に取り組めるでしょう。
広告業界インターンシップ経験者の声・体験談
広告業界のインターンに興味があるけれど、実際どんな学生が参加しているのか気になると思います。
ここでは、実際に広告系インターンに参加した学生や社会人の体験談を5つ紹介します。
1 梨さんの場合
大学3年生の梨さんは、就活を意識する中で「自分のアイデアが誰かに届く仕事がしたい」と考えるようになり、ベンチャー系の広告会社の長期インターンに応募しました。特に、広告がどのように企画・制作・配信され、実際にどのくらい効果が出たのかという一連の流れを自分の目で見て学びたいという動機がありました。
インターンでは、企画のブレストに参加したり、SNSキャンペーンのリサーチ・運用、レポート作成など幅広く業務に携わり、実践的な力を身につけました。特に印象的だったのは、施策の効果をデータで確認できたこと。数字で結果が見える面白さに強く惹かれたといいます。夏の選考で落ちた悔しさをバネに自己分析を深めたことも、成長につながる経験となりました。
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2 TASHIRO Ryunosukeさんの場合
TASHIROさんは千葉大学工学部に在籍中、「何かを生み出す側の仕事がしたい」と考え、広告業界に興味を持つようになりました。デザインやコピーへの関心があったものの、実務経験はゼロ。だからこそ、「未経験でも挑戦できる環境で、自分の可能性を試したい」という思いで、株式会社Minatoの長期インターンに応募しました。
実際の業務では、ECサイト向けコラムの制作補助やバナー画像の作成、SNS投稿の画像デザイン、PDF資料のページ改善提案などを担当。リモート環境でのコミュニケーションや進行管理を経験しながら、「根拠を持って伝えること」「ユーザーの視点で考えること」の大切さを学びました。座学では得られない、実践のなかで育つ力を実感したと語っています。
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3 今井 彩歩さんの場合
今井さんは慶應義塾大学に在学中、「大学生活の時間をもっと実務に近い形で使いたい」と考えて、GMOアドマーケティングの長期インターンに参加しました。もともとマーケティングや広告に興味があり、「広告がどう利益を生むのかを実際に体感したい」という動機から応募したそうです。
インターンでは、アドプラットフォーム部に所属し、広告主のニーズに応じたテキスト・バナー制作、運用設定、数値レポートの作成などを担当。特に、引き継いだ赤字案件を黒字化させた経験は大きな自信になったとのことです。業務を通して、PDCAを回す重要性や、広告運用の難しさ・面白さの両方を学ぶことができたと振り返っています。
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広告業界インターンの面接で合格するための3つのコツ
広告業界の長期インターンは、華やかに見える一方で、選考は意外とシビアです。
特に面接では、熱意だけでなく「広告業界に対する理解」や「実践力」が問われます。ここでは、面接で合格するための3つのポイントを紹介します。
1 広告業界への理解を「具体的な言葉」で伝える
面接官がまず見ているのは、「この人は広告という仕事を本当に理解しているか」です。
ただ「広告に興味があります」や「企画が好きです」と話すだけでは伝わりません。自分が印象に残った広告を1つ取り上げて、「なぜ惹かれたのか」「どんな表現が効果的だったのか」といった具体的な視点を交えて話すことが大切です。
自分なりの切り口で語れると、興味の本気度が伝わります。
2 未経験でも「学ぶ姿勢」と「伸びしろ」を示す
広告の現場では、最初からスキルを持っていることよりも、「知らないことにどう向き合うか」「できない中でどう工夫するか」が重視されます。
そのため、これまでに勉強してきたことや、自主的に取り組んだ課題、失敗から学んだ経験などを積極的に話しましょう。特に「広告の知識がなくても挑戦したかった理由」や「参加後にどう成長したいか」を明確に語れると、高評価につながります。
3 チームで働く力と柔軟性をアピールする
広告業界の仕事は、企画・デザイン・営業・マーケティングと多職種が関わる“チームプレー”です。
インターンでもチームで動くことがほとんどなので、「自分の役割をどう考えて動いたか」「意見がぶつかった時にどう対応したか」といった協働経験は強みになります。また、柔軟に動ける姿勢や周囲との調和を意識した行動を具体例とともに話すことで、実際の現場でも活躍できそうな印象を持たれます。
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