「プログラミングの学習だけでは物足りない」
そんな大学生におすすめなのが、長期のエンジニアインターンです。
本記事では、エンジニア・プログラミング長期インターンの仕事内容から企業選びのポイントまで、役立つ情報をまとめました。
エンジニアインターン応募前に準備すべきことリスト
エンジニア長期インターンは、学生であってもプロダクト開発の一端を担う“即戦力候補”として期待される場です。
ただ「プログラミングが好き」「将来エンジニアになりたい」という気持ちだけでは足りません。企業に貢献し、かつ自分も成長するために、事前に準備しておくべき項目を3つ紹介します。
①自分の得意分野と使用できる技術をはっきりさせる
エンジニアといっても、担当する領域はさまざまです。
たとえば、Webサイトの見た目をつくる「フロントエンド」では、JavaScriptやTypeScriptといった言語や、React・Vue.jsなどのライブラリの知識が必要になります。一方、システムの裏側を動かす「バックエンド」では、Node.jsやRuby on Rails、PythonのDjangoといったフレームワークを使います。
どちらを目指すかを決めて、よく使われる技術を重点的に学んでおくと良いでしょう。さらに、実際にアプリやサービスを1つ自分で作ってみることで、理解が深まります。
②環境構築やチーム開発の経験をしておく
現場では、コードを書く前に開発環境を整える必要があります。
Node.jsやDockerなどのツールを使って、自分のパソコンでアプリが動く状態をつくる練習をしておきましょう。また、複数人でコードを書く「チーム開発」では、GitHubというサービスを使って作業を共有します。
コードの修正を送る「プルリクエスト」や、やることを整理する「Issue管理」など、使い方を少しでも体験しておくと、インターンに入ってから戸惑いません。
③コードの書き方と考え方を説明できるようにしておく
コードを書くときは、「他の人が読んでもわかりやすい」ことが大切です。
意味のある名前を付けたり、コメントをつけたり、整理されたファイル構成にすることが求められます。また、「なぜそのように書いたのか」を自分の言葉で説明できると、面接や開発中の会話でも評価されやすくなります。
たとえば、自作アプリをつくったときに「どうしてこの言語を使ったのか」「この機能はどんな目的で作ったのか」といったことを、紙に書き出しておくと良い練習になります。
エンジニアインターンで任される仕事
エンジニアの長期インターンでは、「雑用」や「お手伝い」ではなく、現場の一員として実際の開発に関わるケースがほとんどです。
会社やプロダクトによって仕事内容はさまざまですが、ここではよくある4つのパターンを紹介します。
①コーディングや機能開発の補助
もっとも多いのが、実際のWebサービスやアプリの開発に関わる仕事です。
たとえば、既存のサービスに小さな新機能を追加したり、バグ(不具合)を修正したりといった内容です。先輩エンジニアが設計した内容をもとに、コードを書いていく役割を任されます。
「本当に世の中に出るプロダクトの一部を自分が作った」と実感できる瞬間もあり、大きなやりがいを感じる仕事です。
②テストや不具合のチェック
完成したシステムや新しい機能が、きちんと動くかどうかを確認する「テスト」もインターン生に任されることがあります。
マニュアルに沿ってボタンを押したり、想定外の操作をしてみたりして、エラーが出ないかをチェックします。こうした作業は単純そうに見えるかもしれませんが、プロダクトの品質を守るために欠かせない重要な工程です。
③ドキュメント整備や情報共有
コードを書く以外にも、開発チーム内で使うマニュアルや設計書の整理、タスクの進め方を記録するなど、情報を「見える化」する仕事もあります。
特にチーム開発では、言葉やメモでのやりとりが多くなるため、情報を整理する力も評価されます。こうした業務を通じて、開発全体の流れを学べるのもインターンならではの魅力です。
④企画やアイデア出しに参加できることも
企業によっては、単に作るだけでなく「どんな機能があれば便利か?」「ユーザーは何を求めているか?」といったアイデア出しの場に、インターン生を参加させてくれることもあります。
エンジニア視点での提案が求められる環境では、開発だけでなくサービスづくりにも関われる貴重な経験ができます。
エンジニアインターンの具体的な仕事内容
長期インターンに参加すると、実際のプロジェクトの中でエンジニアとしての業務に関わることになります。
ここでは、インターン生が実際に任される代表的な4つの仕事について、具体的に紹介します。
1 フロントエンド開発のサポート
Webサイトやアプリの「見た目」を作るフロントエンド開発では、HTML、CSS、JavaScript(またはTypeScript)を使ったページ作成や、ボタン・フォームなどのUI(ユーザーインターフェース)実装を担当することがあります。
たとえば、「このページに検索機能をつけてほしい」といったタスクが与えられ、ReactやVue.jsといったフレームワークを使って開発を進めます。完成したコードは、チームメンバーにレビューしてもらいながら改善していきます。
2 バックエンドの機能開発やAPIの実装
サービスの裏側のロジックをつかさどるバックエンドでは、Ruby on Rails、Django、Expressなどのフレームワークを使い、データ処理やユーザー管理、ログイン機能の追加などを行います。
たとえば、「新しくユーザーデータを保存するAPIを作成してください」というような仕事が与えられた場合には、データベース設計やセキュリティの基本も学ぶことができ、インフラの知識にも触れることができます。
3 バグ修正・テストコードの実装
リリース前のサービスや新機能に対して、バグ(不具合)がないかを確認し、実際に修正する作業もインターン生が担当することがあります。
また、既存のコードが正しく動くことを自動で確認する「テストコード」の追加も任されます。実務ではテストが非常に重視されるため、こうした業務を通じて開発現場の品質管理を学ぶことができます。
4 開発ミーティングへの参加・進捗報告
毎日の朝会や週次のミーティングに参加し、自分のタスクの進捗や困っている点をチームに共有することも、重要な仕事の一つです。
最初は緊張するかもしれませんが、先輩エンジニアと定期的に話すことで、コード以外の「開発の進め方」も自然と身についていきます。
エンジニア長期インターンの探し方
エンジニア職の長期インターンを探す際は、「スキルレベル」と「技術分野」、そして「開発スタイルの相性」が重要になります。
ここでは、エンジニアならではのインターン探しの方法を4つ紹介します。
1 技術スタックで求人を検索する
長期インターン募集の多くは「React」「Python」「Go」など、使用言語やフレームワークが明記されています。
自分が学んでいる技術と一致する企業を選ぶと、実務を通してスキルを深められます。Wantedlyやゼロワンインターンなどのサイトでは、技術キーワードで絞り込み検索が可能です。
2 GitHubや技術ブログで企業の開発文化を知る
成長したいエンジニアにとって、企業の開発スタイルとの相性は非常に大事です。
GitHubで自社リポジトリを公開していたり、Zenn・Qiitaで開発記事を発信していたりする企業は、エンジニアを大切にしている可能性が高いです。興味を持った企業があれば、発信内容を読み込んで雰囲気をつかみましょう。
3 勉強会や技術イベントで情報を得る
LT会やハッカソン、もくもく会などに参加すると、企業のエンジニアと直接話す機会が得られることもあります。
学生向けイベントでは、インターン募集の案内がある場合もあるため、定期的に参加してみましょう。
4 Twitter(X)やnoteで経験者の声を探す
現役インターン生や卒業生が、自身の体験談を発信していることがあります。
企業名や「エンジニア インターン」といったワードで検索すると、実際にどんな仕事をしているのか、働きやすい環境かどうかを知るヒントになります。
エンジニア長期インターンの選ぶ際のポイント
せっかくエンジニアの長期インターンに参加するなら、なんとなくで選んでしまうのはもったいないです。
「想像と違った…」とならないよう、自分に合ったインターンを見極めるポイントを紹介します。
1 自分が使いたい技術が学べるかどうか
企業によって使っているプログラミング言語やツールは違います。
たとえば、Web系ならReactやVue.js、バックエンドならRuby on RailsやGoなどが使われていることが一般的です。自分がこれから身につけたい技術が、実際に現場で使われているかどうかを確認しておきましょう。
もし未経験でも、「しっかり教えてくれるか」「ドキュメントがあるか」などのサポート体制も合わせて見ると安心です。
2 チーム開発をしっかり体験できる環境か
インターンの中には、個人で簡単なタスクをこなすだけで終わってしまう場合もあります。でも、本当に力をつけたいなら、チームで動く開発の流れを経験できるかが大切です。
コードレビューがあるか、先輩からのフィードバックがもらえるか、GitHubなどでタスク管理をしているかなど、実際の開発フローに近い環境かを確認してみましょう。
3 エンジニアが大事にされている会社かどうか
どんなに立派なプロダクトがあっても、エンジニアの声が届かない会社では学びが少なくなってしまうことも。
ブログやSNSで社内の開発風景を発信していたり、技術イベントに登壇していたりする企業は、エンジニアを大切にしている傾向があります。Xやnoteの投稿などをチェックして、エンジニアがどのように働いているかを確認してみましょう。
現場の雰囲気やチームの姿勢が見えてきます。
4 自分のレベルに合っているかどうか
あまりにもハイレベルな環境に入ってしまうと、何もできずに終わってしまう可能性もあります。
一方で、簡単すぎる内容だと成長しにくいです。企業説明や求人情報から「どんなスキルが求められているか」「どんなタスクを任せる予定か」を読み取り、自分の今の力でチャレンジできそうかを見極めましょう。
エンジニアインターンの選考で合格するための3つのコツ
エンジニア職のインターンは、選考においても「技術力+人柄+意欲」のバランスが重視されます。専門スキルだけではなく、どんな姿勢で取り組むか、どんな目的を持っているかが見られる場面も少なくありません。
ここでは、合格につなげるために意識したい3つのコツを紹介します。
1 ポートフォリオは「完成度」よりも「意図と工夫」を伝える
ポートフォリオには、完璧なアプリや大規模なサービスが必要なわけではありません。むしろ、自分がどんな考えでその機能を実装したのか、なぜその技術を選んだのかを説明できることの方が大切です。
READMEを丁寧に書いたり、使い方のデモ動画を用意したりすると、相手にも伝わりやすくなります。シンプルな内容でも、「考えて作っている」と伝われば評価される可能性は十分あります。
2 面接では「学びたい気持ち」をしっかり伝える
インターンの面接では、「すでに何ができるか」よりも、「これから何を学ぼうとしているか」という姿勢に注目される傾向があります。たとえば、「現場でどんなことを経験したいか」「エンジニアとしてどんなふうに成長したいか」など、前向きな気持ちを自分の言葉で伝えてみてください。
難しい質問に対して無理に知っているふりをする必要はありません。知らないことは正直に伝えたうえで、「それを学ぶためにどう努力しているか」を話すと、真剣に向き合っている姿勢が伝わりやすくなります。
3 技術への興味を自分の言葉で語れるか
どんな技術に興味があるか、それを使って何を作りたいのかを、自分の言葉で語れるようにしておきましょう。
「プログラミングが楽しいと感じた瞬間」や「将来作ってみたいもの」の話は、面接官の印象にも残りやすく、人物像が伝わりやすくなります。
エンジニアインターンシップ経験者の声・体験談
エンジニアの長期インターンでは、どんな人が参加して、どのような経験を積んでいるのでしょうか。
ここでは実際に参加した学生たちの体験談を紹介します。
1 小室航平さんの場合
小室さんは地方国立大学の大学院生で、情報系の研究室に所属していました。研究だけでなく実務でも通用するエンジニアになりたいという思いから、ミラティブの長期インターンに応募。
開発言語は独学していたGo言語を活かせる環境を探していたそうです。インターン期間は約4ヶ月。完全リモートでの参加でしたが、チーム開発やコードレビューの機会が多く、プロダクトに関わる責任感や設計力を鍛える貴重な経験になったと振り返っています。
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2 haraさんの場合
haraさんは42Tokyoで学びながら、独学でWebアプリ開発に取り組んでいた大学3年生です。自身のスキルを実務で試したいと考え、大手IT企業のインターンに応募。
選考を通過し、フロントエンドではNext.js、バックエンドではNestJSを用いた開発を経験しました。その後、より裁量の大きな環境を求めてスタートアップ企業のインターンにも参加。技術選定や実装方針に関わる機会もあり、技術だけでなくチームの動かし方にも視野が広がったと話しています。
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3 Hayatoさんの場合
大学でプログラミングを学んでいたHayatoさんは、技術を実務で活かしたいという思いからfreeeの夏季インターンに応募。コーディングテストや面接を経て選考に通過し、チームの一員として開発業務を担当しました。
現場では設計や保守性を意識したコードを書く必要があり、独学とは異なる“プロの視点”を知る機会になったと語っています。SlackやGitHubを活用した開発フローにも慣れ、チーム開発の基礎をしっかり学べた経験だったとのことです。
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4 チップさんの場合
チップさんは文系学部出身で、大学ではプログラミングの授業をほとんど受けていませんでした。しかし、将来の選択肢を広げたいという気持ちから、初心者歓迎のいえらぶGROUPのエンジニアインターンに応募。
研修を経て、実務にも関わるようになり、チームでのタスク分担やレビューの文化にも触れました。未経験からでも挑戦できる環境に身を置くことで、「自分もやれる」という自信が持てたことが一番の収穫だと語っています。
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5 Callocさんの場合
Callocさんは大学在学中に複数のアプリを個人開発していた経験があり、より実践的な開発スキルを求めてプレイドのエンジニアインターンに参加しました。
参加後は、実際のプロダクト開発チームに入り、Issue対応から実装、デプロイ、動作検証まで一通りの開発プロセスを担当。特に仕様設計の大切さを現場で学び、実務で使われるコードの書き方や考え方に大きな影響を受けたと振り返っています。
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